高専ロボコン1998 ルール
「生命上陸」
- 各チームのマシンに搭載した自作の「種子」や「たまご」を大・中・小10個の「島」に「着地」させ、自作の「生命」を誕生させる。
- 誕生した「生命が」島内にとどまると、島が大の場合は1点、中なら5点、小なら10点の得点となる。
- 勝敗は、ゲーム終了時、得点から違反などの減点をひいた総計によって決定される。 (競技時間3分)
1998年に論議をかもし出した芸術点は同点のときのみ採点。(それでも同点なら、再試合もしくはじゃんけんで決める)
1998年6月2日 ロボットコンテスト実行委員会 ROBOCON'98 アイディア対決・ロボットコンテスト 高専部門 課題・ルールブック 競技名「生命上陸」 課題 ・各チームのマシンに搭載した自作の「種子」や「たまご」を大・中・小10個の「島」に「着地」させ、自作の「生命」を誕生させる。 ・誕生した「生命が」島内にとどまると、島が大の場合は1点、中なら5点、小なら10点の得点となる。 ・勝敗は、ゲーム終了時、得点から違反などの減点をひいた総計によって決定される。 (競技時間3分) 1.競技場の材質及び形状 (1) 競技場は「スタートゾーン」(各チームそれぞれ1ヵ所)、「走行ゾーン」「接地禁止ゾーン」「進入禁止ゾーン」「島」(得点エリア)に分かれている。 (2) 競技フィールドの床材は「長尺ビニルシート(2mm厚)ロンシール工業㈱ロンリウムプレーン」を使用する。 長尺ビニル床シート同士のつなぎ合わせは、床シートの表面をビニールテープ(つや消し)でつなぎ合わせる。 (例年と同様) (3) 島(得点エリア)は、進入禁止ゾーンに点数ごとに色分けした「塩ビシール(0.1mm厚)㈱中川ケミカル製カッティングシート」を長尺ビニル床シート上に貼る。 (4) 競技フィールドの周囲には高さ100mmの木工フェンスが設けられている。 (5) 各ゾーンの床シートは全て同色とする(うすいブルー)。 (6) 各ゾーンは塩ビシール(60mm幅)で仕切られている。ただし、走行ゾーンと接地禁止ゾーンの境界には、塩ビシールの仕切の上に木工フェンス(変形型)が設けられている。 2.材料費 (1) 各チームに材料費8万円を支給する。 (2) 「完成マシーン」の構成部品の合計金額は支給された材料費を越えてはならない。 3.操縦方法 (1) 1チームは3人で構成する。 (2) 操縦者は1名で、走行ゾーン内で操縦しなければならない。 (3) マシンを操縦する場合、操縦者はコントロールボックスを操作し、マシンに接続されたケーブルを経由して操縦しなければならない。 (4) マシンからでるケーブルの位置は、地上から1メートル以上の高さでなければならない。 (5) 操縦者は、「種子」または「たまご」(以後「種子」と総称する)もしくは「生命」を、有線、無線に関わらず、遠隔操作してはならない。ただし「生命」を誕生させる時のみ、遠隔操作することができる。その場合、「有線」及び「赤外線以外の電波」を使用することはできないものとする。 4.マシン (1) エネルギー源 (a)走行に必要な電源は各自で再生可能なものを用意すること。数や電圧に制限はない。ただし、充分な安全性を確保出来るものを使用すること。 (b)充電できない乾電池は電源として認めない。但し、コンピューター等の制御回路の電源として使用する場合を除く。 (c)マシンはスタート前、バネなどのエネルギーを事前に蓄えてはならない。ただし、重力を利用した位置エネルギーは使用を認める。 (2) 重量 (a)19kg以下とする。 (b)重量とは電源、コントロールボックス、ケーブルそしてデコレーション等の他、マシン全ての重量の合計である。 (c)マシンの計量は大会前日のテストラン及び、大会前日競技前に行う。 (3) 大きさ (a)スタート時には1200mm×1200mmのスタートゾーンを底とし、高さ3000mmの直方体の中に「種子」を含めたマシンの全てが収まっていなければならない。(コントロールボックス及びコントロールケーブルは含まれない。) (b)スタートゾーンを完全に出た後の変形は自由とする。 (4) マシンに接触した状態の「種子」または「生命」はマシンの一部とみなす。 5.「種子」と「生命」 (1) 定義 (a)マシンに搭載された自作の物体が、マシンから完全に離れた状態のものを、「種子」とみなす。 (b)「生命」とは、「種子」の中に隠され、誕生後、見えるようになる物体を指す。 (c)「生命」の投影面は、誕生後、直径200mmの円を含まねばならず、かつ「生命」の高さは、誕生後、床から400mmを越えなければならない。 (「投影面」とは、物体が最大に見える角度から投影した「平面」を指す。) (d)「生命」の1箇所に、直径30mm以上の印(「へそ」と呼ぶ)を設けること。「へそ」は、真上から見てその全体が見えるようにとりつけること。誕生した「生命」の「へそ」が、上からみたとき、島の中にとどまっていなければ得点にはならない。 (e)競技場を破損させたり、進行に差し支えると主審が判断した「種子」および「生命」は、使用を認めない。 (2) エネルギー部 (a)マシンを離れた種子と「生命」については、危険のない範囲で、どのようなエネルギーを使用しても良い。 (3) その他 (a)「種子」と「生命」は各チームが用意すること。 6.競技時間と勝敗の判定方法 (1) 競技形式 (a)コンテストは勝ち抜きトーナメント方式で行う。 (b)組み合わせについては、地区大会ではくじ引き、全国大会では地区大会の成績に基づいてシードすることもある。 (2) 競技時間 (a)3分間(マシンの不具合などで続行不可能と主審が判断した場合はその時点で競技終了) (3) セッティング (a)セッティングはコールを受けてから1分以内に終了すること。(主審、副審が計測する)1分を過ぎた場合には、競技は開始するが、準備の完了していないチームは競技時間内でも準備を続行し、それが完了した後競技に入ることが許される。 (b)マシンはスタートゾーンからはみ出さないようにセットすること。 (c)「種子」は全てマシンにセットし、同様にスタートゾーン内に納まること。 (4) スタート (a)スタートは会場に設置された大時計によって行う。 (5) ゾーンの区分 (a)走行ゾーン マシンと操縦者が接地し、走行できるゾーン。 (b)接地禁止ゾーン マシンと操縦者が接地してはいけないゾーン。 (c)進入禁止ゾーン マシンの一部が走行ゾーンに接触している場合、「進入禁止ゾーン」には、上空を含め、進入することができない。 (d)得点エリア 「島」(大、中、小)の円内。 (e)「種子」と「生命」は上記3つのゾーンのいずれにも、接地、進入することができる。 (6) 競技点 (a)「大きい島」を獲得すると1点、「中くらいの島」は獲得すると5点、「小さい島」は獲得すると10点とする。 (7) 減点 (a)競技規則に違反した場合、1回につき1点減点となる。 (8) 勝敗 (a)勝敗は競技点、減点の総計によって決する。 (b)同点の場合は違反の少ないチームを勝ちとする。 (c)さらに同点の場合は「芸術性」の観点から審査委員が決する。 (d)それでも決しない場合には、再試合もしくはじゃんけんで勝敗を決する。 7.「島」の獲得方法 (1) 「島」の獲得 (a)「島」を獲得するには以下の条件が満たされなければならない。 ・誕生した「生命」の「へそ」が上から見て「島内」にとどまり、かつ「生命」の一部が同じ島の面に接触していること。 ・ただし、「生命」が「種子」に接触した状態で「種子」のみが島面に接触し、「へそ」が上から見たとき島の面内にとどまっている場合も有効とする。 (b)1つの島をあるチームが獲得した場合、島上の有効な「生命」の個数に関わらず得点は一定である。(大きい島をAチームが獲得した場合、生命が1つでも複数でも得点は1点) (c)両チームの「生命」が同じ島を獲得した場合は、それぞれのチームに得点が与えられる。(大きい島をABチームの生命が同時に獲得した場合は、両チームに1点ずつ与えられる) 8.禁止事項 (a)スタート後は「マシン」「種子」「生命」に触れてはならない。(触れた場合は失格) (b)コントロールボックス以外でマシンを操縦してはならない。また定められた方法以外で「種子」や「生命」を動かしてはならない。(違反は失格) (c)競技場を出た「種子」や「生命」を使用してはならない。 (d)マシンは競技場の外に接地してはならない。 (e)相手マシンや操縦者にめがけて、「種子」や「生命」を投げてはならない。 (f)故意に相手マシンを破壊したり、進入禁止ゾーンに追いやったり、危険な行為をしたり、また審判の指示に従わないときは主審の判断で失格とする。 9.判定 (a)競技判定は1名の主審と2名の副審によって行われる。 (b)全ての決定権は主審にある。 (c)禁止事項の違反等があった場合、副審が赤旗を上げて示す。 (d)赤旗1回につき1点の減点。3回赤旗が上がるとその時点で失格。 (e)悪質な違反行為があったと主審が判断した場合は失格となることがある。 (f)「島」を獲得しても違反による場合は、主審の判断によって無効とする。 (g)違反行為によって生じた事態が、競技進行上問題になる場合は、主審の判断によって競技の中断、障害物の除去、などの必要な処置をとる。 (h)競技の判定に疑問がある場合は、競技終了直後から次の競技開始の間に、リーダーが主審に質問すること。次の競技が始まった時点での異議は認めない。 10.安全対策 (a)「マシン」「種子」「生命」に使用される材料、あるいは構造は、人体に対して危険なものであってはならない。 (b)「マシン」「種子」「生命」の操縦に関しては、安全対策を十分に行うこと。 11.その他 (a)会場にはテレビ撮影用照明などが設置されるので、どのような環境でも対応可能なように、マシンの設計には十分注意のこと。 ☆全国大会での競技の詳細については地区大会後変更されることがある。